* 竜の眠る国 *





「これは、神のご意志。

 わたくしに、神の啓示が降りました。

 そなたと森の番人に裁きを、と――…」




 震える彼女の声は、いつの間にか意志を強く宿した瞳同様、力強くこの場に響き―――


「あの方は、わたくしと共に…!」


 叫んだと同時に、彼女は私目掛けて飛び出した。

 ナイフを両手で握り締めながら。




『ユウナ!?』

「………ユウナ!!」



 それは、一瞬の出来事。


 後ろのエルクの声と、遠くからの私の名を呼ぶ声。

 私達を照らす大松の揺らめきの中、近づいてくる、新たな光―――




「シオン…!」



 瞳に飛び込んだのは、

 いつも冷静な彼の必死な姿。