『痛くない…?』
「ええ。全然痛くないわ」
―――嘘。
確かに擦り傷だけど、所々擦れてる部分が深くて。彼に舐められた瞬間、痛みが走った。
でも、さっきのエルクの巫女姫に対する姿を見てしまったら……これで痛がったらきっと、彼女に何をするか分からない。
『……ごめん。
さっきは少しの間だけ離れるつもりだったんだ。
すぐに追いかけるつもりだったのに…』
見るからに落ち込んでるエルクに、え…?と聞き返す。
すると、彼は私を見て口を開いた。
『彼に呼ばれて時間がかかったんだ』
彼…?
『なのに―――…
神殿に着いたらすぐ姿を消して…!
……契約がなければあんな奴…っ』
「ちょ、ちょっと待って。話が見えない」
興奮気味に話す彼に、私の思考は追い付かない。
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