* 竜の眠る国 *





「そなたは必ず我が王子に災いをもたらします。

 必ず……」



 巫女姫の射るような目に、私は否定したくても言葉が出てこない。

 黙る私を姫はさらに鋭い瞳で睨みつける。




「……そなたはこの世界にいてはならないのです。

 二度とシオン様に逢わないよう…」



 一歩、彼女は近づき―――…

 その瞳は、さらなる闇を灯した。



 漆黒の瞳の不気味さに咄嗟に後ろに下がる私。

 それを見て、彼女は笑った。



「何を怯えているの?

 私が、怖い……?」



 そう言って、微笑みながら一歩一歩近付く姫に、私の頭の中の警戒音が最大音量で鳴り響く。