「姫、なりません。これ以上進めば…」
「そなたたちはそこで待っていなさい」
「シェリナ様…!」
「さあユウナ。行くのです」
兵士の制止を無視し、私を立ち上がらせると背中を強く押した。
「行きなさい」
有無を言わさぬ声色に、私は恐る恐る一歩を踏み出す。
「シェリナ様!」
「そなたたちはついてこなくていい」
兵士のあまりの狼狽えように不安になる。
この先に何があるのか……
さっきまでこの道に気付かなかった。
というか、竜さんがいたから、大きな体に隠れていたらしい。
………もしかしたら、姿の見えない竜さんはこの先に……?
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