「――っ!」
痛い…っ
細腕とは思えない程の力で私の腕を掴むと、巫女姫はそのまま私を部屋へ投げるように押し入れた。
突差のことに受け身がとれず、石の床に体を打ち付ける。
彼女はそんな私を気にもせず兵士二人に中に入る様指示し、残りの兵の制止を聞かず、扉を閉めさせた。
私は痛みに耐えながら、ゆっくり部屋を見渡す。
………竜さんがいない。
薄暗い室内は、所々松明が辺りを照らし揺らす。が、先ほどよりも暗い室内は不気味で、肌寒さを感じた。
「………何をしてるのです。
早くこの先へ行きなさい」
言って、痛みを耐える私の前に立つと、先へ進めと促した。
彼女が行けという方へ目を向けると、そこは光が届かない、真っ暗な道らしきものがあった。
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