* 竜の眠る国 *








 ……どうゆうこと?




 入った時、扉に鍵は掛かってなかった。入る前の騒音もおかしいし……


 それに―――




「はい、出来たわ!

 鏡で見てちょうだい」



 言って、私の髪を巻いていたママが背中を押した。



 ……そうだ。これからパーティーだったわ。





 扉の横にある全身を映す鏡の前に立った。


 ホルターネックの白のドレスはAライン。膝丈のスカートは、ふんわり広がり可愛らしい。

 ママと同じ金色の髪をクルクル巻き、右側にクリスタルの髪飾りがつけてあった。




「……そのネックレス、お祖母様にもらったのね」



 鏡を見ながらネックレスを付けていると、ママが後ろから覗いていた。

 それを見て、鏡越しに頷くと、ママは何故か困惑した表情を見せた。