* 竜の眠る国 *





 叫ぶ私の声に、外の騒音がシン…と静まった。


 ―――違う。


 私の耳に、キ――ン…と高い音が響き周りの音が入らない。



 そして、薄暗かった視界は紫の光に包まれた。



 ………ネックレス?

 紫水晶が、光ってる…?



 仄かに温かいそれに触れようと、扉から手を離した瞬間――


ゴゴゴゴ……


 大きな音を立て、扉はゆっくり開いた。












 目の前には、黒曜石のような、美しい瞳が私を見ていた。