“―――…ユウナ、私の陰に隠れなさい”
そう竜が言ったと同時に、兵士は腰の剣を抜き、ゆっくりと扉に近づいた。
そして、扉の隙間から周囲を伺いながら、小さな声で、
「絶対にここを開けるな」
厳しい目を竜に向けると、扉を開けた。
少し開いた扉の外からは、近付いてくる足音と数人の大きな声。そして、金属がぶつかる音。
「―――っ ダメよ!
あなたもこの部屋にいた方がいい!
早く扉を閉めて…!」
この騒音を聞く限り、何か良くないことがおきてるのが分かる。
そんな場所にわざわざ出て行くなんて――…
慌てて外に出た兵士を止めようと駆け出すと、竜の翼が広げられ私の行く手を阻んだ。
.

