「とにかく、この娘は神殿へ連れて行きます。
森の方はどうぞお行き下さい」
きっと、この兵は隊長クラスかもしれない。
毅然としたまま、私の首の槍の刃を更に押し当て、半ばエルクを脅すように立ち去れという。
でも、エルクは動かない。
「エルク……私は大丈夫だから行って」
言葉を発した事によって、喉が上下する。
その動きで、首の薄皮が切れた感触がした。
『ユウナ』
「私は、大丈夫」
エルクが何かをしようとしたのが分かった。
けど、私は目で訴える。
この人たちに手を出してはダメ……。
私の想いを知った彼は、鼻息荒く前脚を蹴り上げると、恐怖の声を上げる兵士の間を通り、駆け抜けていった―――…
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