* 竜の眠る国 *










 しばらく木々を分け入ると、見知った場所に出た。



 湖は月の光を受けて、キラキラ輝く。



「……ついた…」


 緑と紺、それと光の幻想的な空間が目の前に広がって。

 息を飲んだ。




『こっちだよ』



 呼ぶ声に振り向くと、さっきまでなかった道が、幹のしなる音と木々の葉音と共に現れた。


 まるで魔法だわ………



 私が不思議に思っていると、エルクが笑いながら


『ボクは森の番人。

 ボクらのために、彼らは道を生む』


 そう言った彼を見て、また道に目を向けた。


 この世界は不思議な事だらけだわ―――…



 その摩訶不思議な現象に感動しながら、彼の元へ。