* 竜の眠る国 *





「シオン様は、あの美しいお姿のせいで各国の姫君からのアプローチが後を絶ちませんでしたの。
 でも、どんなに見目麗しい姫から誘われても、見向きもしなかったわ。

 それはもう、姫君方がお気の毒なほどに」



 その勢いに、私だけではなく苦笑いを浮かるマーサ。

 私はナタルを見て、胸につかえてることを聞く。




「でも……巫女姫っていう許婚いるわよね?」




 その時、一瞬おかしな空気が流れた。





「……あの方は、ずっとシオン様をお慕いしていましたから。

 神の言葉を使って結婚を迫ってるだけですわ」



 嫌そうに言ったナタルの後ろから、呆れた顔を向けたマーサ。