「シオン様は、あの美しいお姿のせいで各国の姫君からのアプローチが後を絶ちませんでしたの。
でも、どんなに見目麗しい姫から誘われても、見向きもしなかったわ。
それはもう、姫君方がお気の毒なほどに」
その勢いに、私だけではなく苦笑いを浮かるマーサ。
私はナタルを見て、胸につかえてることを聞く。
「でも……巫女姫っていう許婚いるわよね?」
その時、一瞬おかしな空気が流れた。
「……あの方は、ずっとシオン様をお慕いしていましたから。
神の言葉を使って結婚を迫ってるだけですわ」
嫌そうに言ったナタルの後ろから、呆れた顔を向けたマーサ。
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