* 竜の眠る国 *







「君は少し休んだ方がいい」


「でも…」


「今から少し出る。夜には帰るからその時に話そう。

 それまで横になってるんだ」



 言って、額にキスを落とし、彼は部屋から出ていった。


 その流れるような行動に、話が後日に延びたことも、先程まであんなに気持ちが揺らいでいたことも忘れて、ただただ、彼が去ったのを見ていた。





「あら、シオン様にもあんな事ができたのねぇ」



 クスクス部屋の影から肩を揺らしこちらに顔を出したマーサ。
 その後ろには、ポカンと口を開けるナタルがいた。



「みっ 見てたの?!」


「ええ。そこから」




 ニッコリ笑いナタルの方を指差すマーサ。


 全てを見られていたんだと、恥ずかしさで顔に熱が生まれる。