「……私が彼女を見たときから、すでにこの状態で…」
それ以上、答えようがない彼も黙る。
それを聞いたシオンは、ユリアンに部屋を出るよう告げ、私の背に手を添え素早く膝裏に手を入れ抱き上げた。
そのまま私をベッドへ寝かせると、彼はすぐ横に腰をかけた。
そして、ゆっくり私の体を包み込む。
「もう泣くな」
頭上からのその声に、さらに涙は溢れ出る。
何が悲しいのか……
この心の痛みに、名前をまだ付けられない…―――
しばらくして、抱き締めていた腕の力が和らいだ。
でも、私の肩は掴んで離してくれない。
そんな彼を、私は俯いたままで見れなくて……
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