* 竜の眠る国 *






「……どうかしたのか?」




 ユリアンが私の前から一歩下がり、シオンは私の前に立つと、頬に触れた。

 私は顔を背け、何とか彼と目を合わせないようにするけど―――


 頬に触れた手でそのまま顎を掴まれ、私の顔を無理やり彼へと向けた。




「何があった」



 私に真っ直ぐな瞳を向ける彼に、視界はさらに歪む。




「……何があった」



 声も出さず、ただ黙って涙を流す私に彼は諦めたのか、後方に下がったユリアンに目を向けた。



 ユリアンも知るわけない。


 でも、戸惑いながらも口を開く。