* 竜の眠る国 *





「……ああ。それよりも、教団が昔から求めていた私との婚姻を約束しましょうか?

 その確約があれば、あなた達は彼女を諦めるでしょうか?」



―――ドンッ!


「二人ともいい加減にしろ…!」



 シオンと巫女姫のやり取りに、とうとう王様は立ち上がった。




「シオン!そなた世継ぎの王子だぞ!
 軽々しく婚姻の約束など…!」


「それでも。

 それでも、ユウナを引き渡すことは出来ません。

 彼女は異世界に帰します。なんとしても」



 シオンは王様に怯むことなく続ける。

 その真っ直ぐな瞳に、王様は口を閉じ、盛大な溜息と共に椅子に体を預けるように座った。