* 竜の眠る国 *






 きっと、王様は私とシオンの関係も気になるのだろう。



 遠回しなその問いに、答えを見つけていると―――


「お呼びに従い参りました」



 聞き覚えのある声に、思考が止まった。






「待っていたよ、巫女姫」



 王様は笑顔で私の後ろの声に話しかけた。


 ゆっくり振り向くと、湖で会った巫女姫が私を睨みつけていた。





「国王様。
 早速でございますが、この娘を神殿へ預からせて下さいませ。

 この者は大罪を犯しました。
 見逃すことは出来ません」



 視線を玉座の方に向け、頭を下げその強い口調で国王に告げた。


 その内容に、私は一瞬で我に返る。