「……ユウナはどうなるのでしょうか…?

 毎日夢の中で『カイン』と名を呼びながら涙を流して……。こうしていると、普通の娘ですのに。

 早く、国へ帰してあげたいですわ…」



 マーサが私に薄布をかけながら、そう話していた。



 でも、すでに深い夢へ落ちていった私には、聞こえない――――








 シオンはマーサの話を聞きながら、私の髪を優しく撫でる。

 それを見ていた彼女は、他の侍女に目配せし、ガーデンから出て行った。






「ユウナ…」



 初めて逢った時とはまるで違う、彼の柔らかな声。


 そして、優しい温もりに、私は胸の鼓動が早くなるのを感じながらも、その温もりに安心していた。