「……何を泣いてる」 低い声に、一瞬で今居る場所を思い出した。 「泣いてない日はないのか」 呆れた声。この世界に来てからずっと聞いてるこの声。 「ズズッ 何でもないわ…」 涙を拭い声の主に目を向ける。が、同時にその手を掴まれた。 「目が腫れる」 ユリアンはそう言って、ハンカチを出し私の目にあててくれた。 「ありがと…」 見上げると、ユリアンはいつものように無表情のまま私を見ていた。 .