「君は…」 私を見る表情は無表情で。 その瞳が揺れることはなかった。 私は掴まれた両腕に温もりを感じながら、彼の言葉の続きを待つ。 ―――けど。 何も言わず、ただ、時間だけが過ぎていくだけ。 彼は戸惑う私に気づいたのか、掴んだ手の力を緩めた。 それでも、放してはくれない。 「……どうかした…?」 口も開かず、私を見つめていた彼の瞳が、僅かに揺れた。 一瞬で気付き、「何があったの?」と聞こうとした、瞬間――― 「ユウナ、具合はどう?」 マーサの呼び声と、扉が開いたのは同時だった。 .