熱い………





『ユウナ……

 体痛い? 大丈夫?』





 泣きそうな顔のカイン。


 私はゆっくり瞳を開くと、苦しいけど笑顔を作った。




『だ、いじょうぶ……

 うつる、から……カインはあっち、行って…』



 私の手を握ってカインは何度も顔を振る。


 見かねたママがカインを半ば強引に部屋から連れ出すけど……

 夜中には私のベッドに潜り込んでくるの。




『カイン、本当にうつるよ…?』


『しっ パパ達にバレる。
 ……うつってもいいよ。

 ユウナが辛いなら、僕が代わりに風邪を貰うよ』



 泣きそうな顔のカインに、私はそれ以上何も言えず、“ありがとう”の代わりにカインの手を握った。