* 竜の眠る国 *











「君は……本当にバカだな」




 言った瞬間、彼の顔が近づき…―――


 気付いたら、一瞬、唇に何かが触れていた。





「とにかく今日は大人しくベッドにいろ。

 偵察が終わったらまた戻る」



 シオンが立ち去りカーテンが揺れる。


 私は何も返事できず、ただ彼のシルエットを目で追っていた。





 ―――い、今のって……キス…?