* 竜の眠る国 *





「……顔が赤い。熱か?」

「ち、違います」

「風邪かもしれないな」

「大丈夫、何ともないわ!」



 焦る私をジッと見つめる。


 銀色の髪が窓からの風に揺らされ、サラサラと靡いた。




「……君は、本当に無茶ばかりする」

「そんなこと」

「心臓がいくつあっても足りないな」

「な…っ」



 そんなに落ち着きないの?! 私はっ



「頼むから大人しくしててくれ」

「ちょっと、私をトラブルメーカーみたいに言うのはやめて。
 さっきはあまりに気持ち良すぎて寝ちゃっただけで、たまたまよ!」



 ムキになる私を見て、彼は顔をずいっと近付けた。

 慌てて顔を引く私の顎を掴み、真っ直ぐな目を向ける。