* 竜の眠る国 *





「……どうした?
 気分が悪いのか?」


 違う!


「私、自分で歩けるから…っ」


「無理に決まってるだろ。

 大人しくしていろ」



 真顔で見下ろされ、私はさらに小さくなった。





 薄布一枚。


 しかも、濡れてるせいで透けてる。





 ―――こんな姿を見られるなんて……


 お祖母様に知られたら、お嫁に行くまで外出禁止だわ。





「君はいつも溺れてるか泣いてるかだな」



 ベッドに私を降ろすと、彼が堪えきれないように笑った。


 初めてのその表情(かお)に、心臓が大きく打つ。