「―――っ!?」 バシャンッ 「おい…っ」 ―――瞬間、息を忘れた。 「ごほっ…」 「水を吐き出せ!」 「ごほっ……ハァ…」 「よし……ゆっくり息を吸って、」 怖くて、抱き寄せる手にしがみつく。 「……ふっ……ふぇ…」 「大丈夫だ。もう大丈夫だから……泣くな」 頭を撫でる手は優しくて。 彼の胸に体を寄せれば、大切そうに、優しく抱き締めてくれた。 「君はよく溺れるな」 くくっと笑い、それから安心したのか、大きく息を吐いた彼。 何故だろう。この腕に安心する……。 .