* 竜の眠る国 *









「……気持ちいい…」



 訳も分からずこの世界に来てから、初めて息をした気分。


 湯に垂らされた香油の香りに、ついウトウトとしてしまう。










 ――――唄が、聞こえる…




 木が。草花が。


 風に吹かれ、優しい音を奏でる……






 瞼が重くて。


 寝ちゃダメ…




パシャ…ッ



 私が夢の中にいる頃、

 体はゆっくりと沈んでいった―――…