* 竜の眠る国 *





 その豪華さ、ボリュームに目眩をおこしそうになりながら、現実逃避をし始める。



 ……きっとマーサも一緒に食事をするんだ。

 あ、あの子もかな。


 きっとそうだ。そうに違いない…!



 妄想しながらフォークを置いた私を、マーサが心配し始めた。



「……熱はないわね。

 もしかして嫌いなモノがあった?」

「いえ!無い、です…っ」


 私の額に手を当て顔をのぞき込むマーサに慌てる。



「それなら、温かいうちに食べなさい。

 あなたの国の料理とは違うかもしれなけど、この国の料理も美味しいでしょう?」


 言われて、「お腹いっぱいです」とは言えなくて……



 もう一度フォークを持った私に、あれもこれもとお皿に盛りつけ、彼女が見守る中(監視しながら)、半ば押し込めるように口に運び入れ、食事を終えた。