* 竜の眠る国 *







「……ユウナ。

 あなたとシオン様は……」



 言いかけて、「やっぱり何でもないわ」と笑うマーサ。



「起きあがれる?
 食事の用意ができたから先に食べなさい。

 その後に湯浴みをしましょう」



 そう言って、マーサはカーテンを纏め、柱に紐で縛り始めた。

 カーテンが開き、一気に柔らかな光に包まれた。

 その光に誘われるように、ベッドを抜け出し大理石の床に置いてある履き物に足を入れる。



 この間はちゃんと見なかったけど……この部屋、すごく広い―――



 ゆっくり部屋を見渡すと、全体を白と茶、淡いピンクの家具で揃えられ、壁一面の窓から見える外の景色は、備え付けの絵のような、美しい庭が広がっていた。


 窓から外を見ると、すでに日は高く、窓から射し込む光は暖かい。