* 竜の眠る国 *






「君は泣いてるか怒るかだな」



 フッと笑い、優しく頬を包む手は冷たく、今の私には心地良いもので……



「でも……まだ怒ってる方がいい」



 そう言って、彼の顔が近づいてる今も、私たちはお互いから目をそらさない。



「何があった?」


 おでこが触れそうな位置で彼は近づくのをやめた。

 彼が小さく呟いたと同時に、私の唇は吐息を感じる。



「何も…」



 見つめられて、声が震える。



 彼の深い海の色。


 その目をそらせず見つめていると、胸が苦しくなって、泣いてしまいそうになる―――…