* 竜の眠る国 *







「何かあったのか?」




 カーテンが開き、王子の青い瞳がユリアンを映した。


 その瞳を見た瞬間から、胸の鼓動が早くなる。




「いえ、」


「マーサの怒鳴り声が外まで聞こえていた」


「あら! お恥ずかしい…!」



 先ほど怒っていたはずのマーサが、恥ずかしそうに慌てたのを見て、今度は私に目を移した。



 濃い青の瞳に見つめられて一瞬、息をするのを忘れてしまう。




「ユウナ…また泣いたのか?」



 王子は私のすぐ横に腰をかけると、長いしなやかな指を私の頬に滑らせた。


 その姿に、息を飲む。