* 竜の眠る国 *







「……気持ち悪いのか?」



 何か勘違いしたらしい彼は、足元にあったガウンを私の肩に掛けた。



「あ、いや、違くて―――

 うん。……やっぱり何でもない。

 ありがとう」

「いや」



 ………なんかズレてるわ。この人。



「あ、の…」


 ジッと探るように私を見つめる瞳に、耐えられない。

 ……私は何もしてないのに……




「よく泣く娘だな…」


 俯き涙が一滴落ちた瞬間、ユリアンの溜息混じりの言葉が聞こえた。


 慌てて拭うと、私の手を掴んで、


「……腫れる」



 優しいその声に、彼の顔を見た。