* 竜の眠る国 *








 言われて、気付いた。



 ……ユリアンは怒ってる。





 当たり前よね。

 世継ぎの王子に迷惑かけて……ましてや、私は異世界から来た要注意人物で。


 そんな私が城を出入りするなんて、騎士として許せないだろう。


 でも―――

 私だって、好きでこの世界に来た訳じゃない。



 私が落ち込み泣きそうになっていると、視界の端のカーテンが揺れた。



「どうかしたのか?」


 黙った私を心配したのか、ユリアンは躊躇する事なくカーテンの中に入ってきた。

 そして、体をかがませ私を覗き込む。


 その動作があまりにも自然で、涙が止まった。