こんなに近くにいるのに…… どうして気づかないのっ…?! 『ユウナ……早く帰ってきて』 カインは呟くと、一滴、涙を零した。 カイン…… 私はここよ。 ここにいるのに――― 生まれてから、一度も離れた事のない私達。 彼の想いが、私の胸を締め付ける―――… カイン、あなたに触れたい…… 手を伸ばした瞬間――― 目の前の風景が、霧のように消えた。 .