『なんてきれいなんだろう』 一瞬でそう思った スラッとした立ち姿に 桜の花とともに揺れる、柔らかい茶色のふわふわな髪の毛 何かを想うかのような、その横顔 「きれい・・・・・・」 気付いたら、そう口にしていた 数十秒間、目を逸らすことができなくて横顔を見つめていると その人は私に気付いて一瞬驚くと、すぐにふわっと笑った 「こんにちは。新入生、かな?」 さっきまでの淋しさは消えた柔らかい笑顔に、胸の鼓動が高鳴った───