『キミと一緒に』




「だから、ミカちゃん。オレと話したいときはいつでもおいでね」

「おい、ヨシキ。勧誘と口説きは違うだろ」

「ごめんごめん。

まあ、今は見てのとおり、毎日暇なオレらがぐだーってしてるけど、きっとミカちゃんにとっても、居心地の良い空間になると思うよ?」


居心地の良い空間───

それを手に入れてしまったとき、私はどうなるんだろう

失うのが怖くなってしまわないだろうか・・・・・・


「まあ、説明はこんな感じでー。とりあえず、ケーキ食べる?」


えっ、ケーキ!?食べたい・・・!

「あ、ミカちゃん今、目がキラキラしたよ」

「えっ!そ、そんな・・・」


「・・・ふっ。女の子らしいね、可愛い」

「・・・っ!」


は、恥ずかしい!翔先輩にも笑われた・・・!

それに、か、可愛いって───!

もう顔から火が出ちゃいそうだよ・・・・・・



「まあ、暇人の集まりだけど"一応"CaFeだからね。紅茶とかスイーツとか用意はしてあるよ。ちょっと待っててね」


と、ヨシキ先輩は部屋の隅にある棚へ向かった


「あいつんち、洋菓子店なんだよ。だから賞味期限は切れてないけど廃棄寸前とか、余ったやつとか学校に持ってくるんだ」


わざわざ、学校にケーキ持って来るんだ

お菓子ならまだわかるけど・・・・・・


「"女の子と喋るときは絶対ケーキだ!みんな喜ぶし!"

ヨシキの名言」


「・・・ふふっ。ヨシキ先輩らしいです」

「・・・だな」