『キミと一緒に』




「ここはね、去年・・・つまりオレらが一年の頃に作ったんだ。

CaFeなんて洒落た名前なんかつけてるけど、実際そんなもんじゃない。

"好きな時にここへ来て、だれもが落ち着ける憩いの場。嫌なことを忘れられる、癒しの空間"

当時、そういう意味を込めて作ったんだ」


癒しの空間、か。

なんかそれって、すごい素敵な響きだと思う

何か一つでも自分の居場所があるって思えることで、救われるのかもしれない


「それに、ここは誰でも歓迎なんだ。淋しくなった時。悲しくなった時。誰かと一緒にいたくなった時。

人それぞれここにくる理由は違うと思うけど、気持ちを共有できたら、ラクになれると思わない?」


・・・・・・確かに

ヨシキ先輩の言うことにはすごく共感できる

私には親友のアサミがいるけど、それとはまた違う、別の寂しさなんかは、無いわけじゃない


「入部しなくてもいいんだよ。ミカちゃんが来たい時にいつでも来ればいい。オレたちはいつもここにいるから、な、翔ちゃん」

「俺らは暇だからここにいるだけだろ」


「うわっ、痛いとこつくなぁ・・・。

まあ、作った当時は3人いてさ、今はオレら2人だけど。

それでもあの時、オレらにはこういう場所が必要だったんだ」



その時、ヨシキ先輩が一瞬遠い目をしたのに、私は気付かなかった