「そうそう、車ですよー。さて、ではお眠り下さいね~」

 後ろの席にセットしたベビーシートに雅坊を縛り付けて、彼の手にはオモチャを握らせる。今のところ機嫌は良し。いいぞ、そのままで夢の世界へ旅立ってくれ!

 何にせよ寒いので、さっさと運転席に収まってエアコンを入れた。

 いざ、出発だ。

 

 天気もよく、年の瀬も迫った28日、私は車でお買い物へ。

 ふんふんと鼻歌まで出ちゃったりして。かなり、上機嫌だった。それは昨夜の久しぶりの抱擁も原因にあるに違いない。忙しさですっかり忘れていたけど、やはりたまには抱き合わないと夫婦であることを忘れてしまいそうだ。

 あら?どうしてこんな体の大きな同居人がいるの?なんちゃって。

 一人でそんなことを考えながらあはははと笑う。そして、住宅街にいきなり現れるコンビニの駐車場へと車を入れた。

 すぐ角を曲がれば大きな国道に出る場所ではあるが、前々からどうしてこんな中途半端な場所にコンビニがあるのだろうと謎だったところだ。だけど、例えば子供のお弁当のおかずを買うのを忘れてた、とか、受験生のコピー機使用などに丁度いいらしく、建ってから結構経つけど潰れる気配もない。ここにはだら~っとした大学生のアルバイトばかりで、買い物をする時にその接客態度につい説教を垂れたくなることもあるのだけれど―――――――――

「・・・やっぱり爆睡してるわよね」

 さて、予想通りに寝てしまった雅洋をどうするか、と悩み、やっぱりお金をおろす時間とはいえ車においていくのは忍びないと考えて、彼を下ろすために運転席から出て後ろのドアを開ける。ベビーシートで眠る小さな体に手をかけたところで、ハッとした。