知っている。

畠山君は部屋の中、もうドアの前に立っている。

立っていながら、すぐにドアを開けてくれない。

こうやって私が寒空の下、ミニスカート姿で衆目に晒されるのを、部屋の中から愉しんでいるのだ。

彼は『そういう』性癖だから。

そして私も『そういう』性癖だから。

加虐嗜好と被虐嗜好。

お互いの嗜好の利害が一致している分、私達は『とても良い関係』を築けている。