目が覚めたら、あの天使は既に居なくなっていて、代わりに有ったのは剣だった。
赤黒い、まるで血を表しているような色の。
そんな最悪の誕生日を、私は9年振りに受けた。
――現在――
あの天使が言った契約、それは悪魔達と戦うということだった。
今、天界は深刻な天使不足に陥っているらしく、そこで人間を天使に変えるプロジェクトを行っているらしい。
10年も前のことだと思ったが、天界にとって現世とは、1年は1時間として過ごしているらしい。
ただ、天使は13歳からでしかなれないのもあって、まだ幼い私を9年待つという契約だったらしい。そして、4歳の頃の記憶をここまで鮮明と覚えているのは忘れないため、記憶を保管していたらしい。
――悪魔とは6人の幹部の下で働く者で、現世で10年も働かねば生まれ変わることは出来ない。
ついカッとなって――などの事件は殆どが悪魔の仕業らしい。つまり、世界はもう一つの世界に守られ、もう一つの世界に毒されていたのだ。
そう考えると、吐き気がしてきた。