爽はあたしが落としてしまった携帯を拾い上げ、もう一度あたしに渡してくれた。 今度は、 …手が触れなかった。 「ごめん、ありがと 」 「いいえ。俺が驚かせちゃったみたいだからね? 」 「…? 」 「じゃあ、またね? 」 「…う、ん 」 爽がドアを開け、帰ろうとした時、 「傷つけたら、承知しない。」 琥珀が爽に向かってそう言った。 琥珀は、とても冷たい目をしていた。