「はぁ」と、ひとつため息をついてから、俺は街中を走った。


夜景の見えるホテルで?
2人でシャンパンを飲んで?
バスルームには無数の薔薇を散らすんだろ?




ーープルル、プルル


『…はい』

「おい、日菜子!今から俺んチ来い」

『は?…何なのよ、一体』

「お前が望んだクリスマス、やってやる!」


それだけ伝えて電話を切った。
日菜子の為に、有り金全部使ってやるよっ!