街にジングルベルが鳴り響いた。
12月24日。外は少しだけ雪が降った。
日菜子とは連絡をとっていない。
俺から連絡するのも癪に触るし。
そもそも、疲れてた俺にわけわかんねー妄想デートプランを押し付けようとした日菜子が悪いんじゃねーか。
サンタの格好をしたバイトがケーキを配ってる。
せっかくクリスマスだしと、少し自暴自棄になって一番高い4500円のケーキを買った。
行き交う人たちは、巷でいう恋人繋ぎをして今日の予定を話し合っていた。
多分、日菜子とこんなことになってなかったら…
今日はきっと夜景の見えるホテルを予約して、くそ高いシャンパンを用意して、両手いっぱいの薔薇を持っていただろう。
ーー想像すると笑える。
笑えて、少し、涙が出るぜ。



