もうすぐクリスマス。
恋人たちの一大イベントで、俺はこの日に日菜子と初エッチをする予定だった。



なのに…



「あたし、サトルとの初エッチは夜景の見えるホテルが良いなぁ。
2人でシャンパンを空けたあとバスルームに行って…
お風呂には無数の薔薇が浮かんでて…」

「ちょっと待て。そんなこと学生の俺が出来るわけねぇーだろ」



俺が反論すると日菜子は「は?」という声をあげた。
そして続けて俺に言った。


「超つまんない。あたし処女だよ?夢くらい見たって良いじゃん」


…夢だけで終わんねぇじゃん!

と、突っ込みたいところをグッと我慢する。



「あーあ。しらける。もうサトルとは別れるから!」

「はぁ?」

「って、あたしが言ったらさ!
「俺はお前と別れたくねぇよ」ってサトルが腕を掴んでっ!それでーー」


あぁ、妄想スイッチが入っていたのか。
いつ妄想スイッチ入るか分からないから、少し困るところだ。