「シャンパンなら、ここにあるぜ」

ほら。と、日菜子の前に差し出すと、日菜子は諦めたように笑ってシャンパンを受け取った。



「…まぁ、いいか。うん…。ありがとう…
って!これセブンに売ってる980円のシャンパンじゃないの!」

「シャンパンはシャンパンだろ!2人で飲むんだろ?ほら。グラス」



テーブルに用意していたグラスを日菜子に差し出すと、深くため息をついてグラスを力なく受け取った。


シャンパンをグラスに注いで、カチンと安っぽい音と共に「メリークリスマス」と呟いて、また日菜子の唇にキスをする。


とろけるような瞳で俺を見る日菜子は、まんざらでもなさそうだった。