「何、これ…」
驚くだろうと思っていたけれど、日菜子は俺の想像通り驚いていた。
日菜子の次に言う言葉は分かる。
ーー『なんで、キャンドルだけ?』
「ねぇ、なんでキャンドルだけなの?」
ーー『この、デッカいケーキ何?』
「なんで、こんな大きいケーキが?」
ーー『カーテンしめなよ』
「カーテン開いてるよ…」
そこで、泣くんだろ?
泣いたら俺が日菜子を抱きしめてやるよ。
「何なのよ…一体…うっ。ひっく…」
完璧に俺の妄想通りだ。
離れていた二人が再び会って、日菜子の為にセッティングしたこの部屋を見て、日菜子が泣かないわけないんだ。
俺は、後ろから日菜子を抱きしめた。



