「はーい」

きっと、日菜子だ。
俺は冷静を装って玄関のドアを開けた。



「……何だよ、その格好は」

日菜子はどこのパーティーへ行くんだ?という程、ド派手なドレスを見に纏っていた。



「私の望むクリスマスでしょう?
夜景の見えるホテル。2人でシャンパンをあけて、バスルームには無数の薔薇、でしょ?」


それなら綺麗な格好をしなきゃ恥ずかしいじゃない。

日菜子はドレスの裾を持って、可愛らしく笑う。



「あー…まぁ、入れよ」

「え?入るの?行かないの?」

「…いいから、ほら早く」


腑に落ちない。そんな顔をして日菜子はバカ高いピンヒールを脱いで「お邪魔します」と、家に入った。