「松井、終わった?」



本棚をひとつ挟んで向こう側にいる西巻を見ると、もう終わってたみたい。



おい、終わってたんなら手伝ってくれても良かったのに。



ま、これだけの量だししょうがないか。



「松井ー!」



西巻が本棚の横からひょこっと顔を出し、ひらひらと手を降ってる。


何がしたいんだが。



はぁ、と本棚におっかかった。
  
  

疲れた……。




ガタガタ……



ガタガタガタ……


「?」



なんだこの音?




……まさか!と思って本棚を見上げる。




うわっ、今にも本たちが出てきそう! 



しかも分厚い本!




やっば!忘れてた……。



校舎は新しいけど、図書室にある本棚は凄く古くて脆いんだった! 



そんな状態のやつにおっかかったりしたら……。




やばい、本が落ちてくる!



どうにかしなきゃ!



けど、足が突っ立ったてるままで動けない。


やばい、このままじゃ……


「松井!」




さっきまでにへらにへら手を降っていた西巻が凄い真顔でこっちに迫って来ていた。