「ほら、授業始めるから西巻も席につけ!」
「えーーーっ」
「口尖らせてもダメだ。っておい、授業中におにぎり食べんな!」
口を尖らせながら渋々席に着く西巻は、リュックからコンビニのおにぎりを出して食べていた。
「先生俺、朝ごはんなんすよこのおにぎり!ほっといてくださーい」
「朝ごはんは家で食べてこい」
「今日寝坊したんだってー!食べてたらもっと遅刻すんの」
とか言いつつ、2個目のおにぎりを食べ始める西巻。
「……もう、勝手にしてくれ。先生は知らないぞ」
先生は口のうまい西巻に戦う気すら起きないらしい。
ま、そうだよね。
「先生、早く授業してくださいってばー!」
さっきの子がまた声をあげる。
西巻をチラッとみると、自然と目があった。



