街の片隅には幾つもの街灯が並んでいました。
陽が暮れはじめて、辺りが薄暗くなってくると街灯にオレンジ色の光が一斉にピカリと付きます。

その灯りの真下にはミリアンがいました。

ミリアンは、ふぅ・・・と溜め息をこぼし、かごバッグの中を見つめます。

ミリアンのかごバッグの中は、七つ入っていたミルク瓶も、残り一つになっていました。


｢あと一つ何だけど・・・｣


ミリアンは最後のミルク瓶を売るために、人通りの少なくなってしまった広い道を歩き続けていました。