ルルは麦藁帽子をポニーの頭に被せると、袖を捲りあげます。

「ようしっ!」

ルルは一声、気合いを入れると、リンゴの木に近寄り、スルスルと登り始めました。
あっという間にリンゴの木を登り、そして、地面に向かってリンゴの実をポトリ。

ポニーは嬉しそうにリンゴをムシャムシャと食べます。
ポニーが喜んでいるとルルも嬉しそう。

少しだけ汚しちゃったけど、母さんに怒られちゃうかなぁ・・・

パタパタッ

パタパタッ

ルルは母さんに縫ってもらったお気に入りの洋服が汚れてしまったことが気になり、懸命に洋服をはたきました。

ルルとポニーは洋服とリンゴに夢中です。

だから何も気付かなかったのです。

「そこにいるのは誰」

ルルとポニーは突然の声にビックリし、急いで声のした方向に振り向きました。