もうすぐ3年生は卒業の季節


あたし達の学校は毎年2月に全校生徒の皆が集まる


そして卒業する先輩に皆で出し物をしたり吹奏楽部が演奏したりして、先輩にお別れを告げる行事がある


だからって……


『どうしてあたしがそれに参加するの!!?』

「だから、これから歌手になっていくいい練習になるだろ?」

『でも!』


舞台の上でいきなり皆の前で歌うなんて……


あぁ……考えただけで目眩が……


「そんなに心配しなくても大丈夫だって。俺がちゃんとピアノ担当してやるから」

『!!そんなの余計目立つよ!!』


優理花と友達になって初めて気付いたけど、隼人って学校で知らない人いないくらい有名なんだもん!!


理由はかっこ良くて、何でも出来て、まさに皆の王子様だっけ?


「おぉ、莉乃もやっと俺の有名さに気付いたか?」

『問題はそこじゃないよ!!』


少し驚いたように笑う隼人にあたしはそう言った


すると


「でも俺が居なかったら莉乃歌えないだろ?」

『うっ!』


痛いとこついてくるな……


「2人でやった方が安心だって。それに今日からちゃんとそれに向けてトレーニングするし、な?」

『……分かった……』


こうなったらもう止められない


逆に開き直って頑張ってやる!!